小さな祈りのページ

この小さな祈りのページは、ちょっとした時間に心を落ち着かせて思いを巡らせるようなときのための「祈り」と「詩」のページです。皆さまのその時々の気持ちに合うような「祈り」や「詩」があれば幸いです。

「祈り」と「詩」

息と心の祈り


マスクをしている
そのため気になるか否かくらいの息苦しさを感じている
咳が気になる
自分の咳も他人の咳にも不安と恐怖がある
緊張感に覆われている
他人に近づかぬようにとどこか張りつめた気持ちでいる
長い時間を一人でいる
話すことが減っていると気づき鬱々と空虚さを感じている
息と心はつながっている
深呼吸をしよう
安心できるところでいい
家の中でも周りに人がいないところでもいい
手を広げ
胸いっぱいに息を吸い込み
声を出しながら吐き出そう
そして心が少しだけゆるんだら
こんな今でも感じられる小さな幸せを見つけて
平穏や救いを願う祈りとともに
感謝の祈りをしよう
そう私は思う

2023年07月07日

詩 呪文ではなく

 

不憫な言葉たちがいる
自由、平等、正義
この言葉たちは異用されていると思えてならない
自由を盾にして他者を傷つける
平等を唱えて利己のみを考える
正義を振りかざして在りもしないはずの敵を作り攻撃する
誰とは言わないが
武器のようにこの言葉たちを操って
病のようにこの言葉たちに操られて
ゴツゴツとした塊をせっせと生産している人間はいやしないか
この言葉たちが生まれたとき
こんな使い方をするために生まれた訳ではなかったはずなのに
この言葉たちは
呪文ではなく祈りの言葉として生まれたはずなのに

2022年01月17日

しあわせのための祈り

作ろうと試みた
しかしながら作れるものではなかった
探そうと動き回った
しかしながら見つかるものではなかった
そもそもそれははじめから傍にあった
気づけていなかっただけであった
しあわせとは
作るものではなく
探すものではなく
祈りとともに
気づくものだった

2021年10月02日

誠実を求める祈り


誠実さが嘘をつかないことだというならば
少なくとも相手を陥れたり自分の保身のために
わたしは嘘をつかないでいたい
誠実さが私利私欲で物事を考えないことだというならば
少なくとも偽善と見栄の皮をかぶらせず
わたしは相手の気持ちを想像したい
誠実さが怠惰にならないことだというならば
少なくとも誰かや何かの所為にせず
わたしは一所懸命を増やしたい

2021年06月13日

不直の祈り


正直になるのはなんと難しいことか
思考に正直なれば
感情に不直となる
感情に正直なれば
思考に不直となる
何に正直であればよいのであろう
自分に正直に
かの人に正直に
皆に正直に
不思議なもので
何かに正直なれば
それ以外に不直となることの何と多いことか
ならば不直であってもよいのであろう
翻るならば
何かに不直ならば何かに正直とも言えようし

2020年11月20日

窓辺の祈り


目に映るあざやかな新緑の木々
その匂いを吸い込むことはない
ゴトゴトと吹きあたる木枯らし
目を細めて塵をさける必要はない
一面を灰青色に染める長い雨
手先がかじかみ冷えることはない
私はいつも窓辺に立っている
透明な薄い一枚の隔たりのあちらを
目と耳でしか感じぬ窓辺に立っている
陽の光が射し込む
温かな空気が窓辺の私を包む
窓辺にいながら目と耳以外で感じとれる
そのいざないは私に窓の鍵を開けさせる

2020年08月31日

笑顔の祈り


不安で笑顔を忘れているなら
不安がなくならなくても
安心っていう気持ちも持てることに気づこう
それは好きな人と話をして笑顔になって分かること
恐怖で笑顔を忘れているなら
恐怖がつきまとっていても
怯える気持ちからは離れられることに気づこう
それは他人を勇気づけその人が笑顔になって分かること
不安も恐怖も自分で大きくしてしまうもの
だから自分から小さくすることができる
笑顔を作ることがその方法
そんなことを祈っている
この祈りが届きますように

2020年04月24日

詩 私と世界

 

わたしの眼からしか見ていない
わたしの耳からしか聞いていない
わたしの肌からしか感じていない
それをわたしの頭でしか受けていない
わたしと世界とのつながりは
つねにそのようにある
つねにそのようにしかない
主観から逃れられないわたしは
主観を避けて客観を求めるのではなく
主観の広がりを求めて生きよう
わたしは私なのだから

2020年02月28日

静かな祈り


言葉をつくす
伝わると信じて
多くの言葉をもちいて
何度も何度も
そうして
言葉のむなしさに出会う
言葉に頼る危うさを知る
言葉が凶器になると理解する

言葉を捨てる
届くと信じて
一つも言葉をもちいず
遠くから遠くから
そうして
自分の弱さに出会う
自分に醜さがあると知る
自分が愚かなのだと理解する

言葉が残る
幾つかの大切な言葉だけ
「ありがとう」
「ごめんなさい」
そうして
ただ静かに穏やかに祈りたいと思う

2020年01月12日

ありがとうの祈り


どんなことも
恨めしく思えば恨めしくなり
憎らしく思えば憎らしくなり
いくらでも
自分以外のせいにできる
だから
ありがとうと口ずさもう
ありがとうを探してみよう
なぜなら
ありがとうは絶対に見つかるから
それは自分にも穏やかさをもたらすから
ありがとうは祈りだから

2019年05月10日

安心のための祈り


不安は不思議といつも横にいる
困ったものでいなくならない
横にいて
大人しいときもあれば
私をいじめるときもある
お前なんかいなくなれ!
けれどもいなくなったことがない
これじゃ安心は
いつまでたってもえられない
そう思いきや
不安が大人しいときは
安心だと思っているときもある
そうして気づく
不安もいなくなってしまっては
いなくなったことに不安になるのかも
そうして気づく
不安が横にいたとしても
安心を持てるものなのかもしれない
私に安心を与えてください
私は不安を取り除いてとは望みません
ただ安心を持てるようにしてください

2019年04月03日

春、ヤマの祈り

 

早春早朝
都会のヤマで
ドロボウ市でたむろする
今は使わぬ道具を見ては
東京タワーを建てし自分を
誇る口上なめらかに
見上げた空にはスカイツリー
時は過ぎしと歩き出す
右手の杖がカツカツ鳴る
ヤマの歌人は一歌詠む
白月を 刺したる串は
変わりしも
あの日とおなじ 市は止むまじ

晩春夕暮れ
都会のヤマで
ドロボウ市と同じ路地
顔ぶれ同じし行列は
炊き出し求めて集いしも
囁く鼻歌悲し気に
見上げた空から泪雨
腹を鳴かせて歩き出す
左手の杖がコツコツ鳴る
ヤマの俳人は一句詠む
落ち桜 踏みし足々 杖まじり

歌に祈り、句に祈り
祈りと共にヤマを生きる

2019年02月27日

無題の詩


いつもそばにいてくれる
いつも想っていてくれる
いつも見ていてくれる
いつも聞いてくれる

いつも微笑んでくれる
そんな人がいると言うのなら
それはあなたを大切に思ってくれている人
だから
あなたも大切に思う人にそうしよう
そんな人がいないと言うのなら
それは神さまがしてくれているから大丈夫
だから
あなたも大切に思う人にそうしよう

2019年01月30日

トンネルの祈り


私たちは人生において
度々トンネルに潜り込んでしまう
光が見えなくて
長い長いトンネルに
でも
出口のないトンネルはない
そして
トンネルは長くなんてならない
私たちの歩みがはやければ
トンネルは短く感じ
光は見えすぐに大きくなる
私たちが歩みを停めれば
出口へはいつまでも辿りつけず
終わりのない暗闇となる
トンネルの所為ではないのだ
わたしの歩みの所為なのだ
歩み続ける強さをお与えください

2018年12月14日

時の祈り


時とは
待つには遅く
過ぎ去りしははやい
時とは
辛苦には長く
喜楽には短い
同じく刻みすすむのに
感情によって違い
年齢によって違い
人が違えばそれによっても違う
そんな“時”という波を
私は唄うように祈りながら
ただひたすらに漕いでいく

2018年11月18日
» 続きを読む