詩 呪文ではなく

 

不憫な言葉たちがいる
自由、平等、正義
この言葉たちは異用されていると思えてならない
自由を盾にして他者を傷つける
平等を唱えて利己のみを考える
正義を振りかざして在りもしないはずの敵を作り攻撃する
誰とは言わないが
武器のようにこの言葉たちを操って
病のようにこの言葉たちに操られて
ゴツゴツとした塊をせっせと生産している人間はいやしないか
この言葉たちが生まれたとき
こんな使い方をするために生まれた訳ではなかったはずなのに
この言葉たちは
呪文ではなく祈りの言葉として生まれたはずなのに

2022年01月17日