友愛会の支援者への手紙 44

 

不安と寂しさの叫び

一晩中、呼び鈴を鳴らしたり、大声をあげて呼んだりする。
“5分おきに”という表現が過言ではなくその通りである。
昼夜逆転気味でもあるが、目が覚めているときは絶えずそんな感じである。
睡眠薬は内服しているけれども、まとまった睡眠はとれない。
彼は以前から不安神経症を患っていた。
肝臓や腎臓も悪くし、身体が絶えずだるいのであろう。
腹水が溜まり、感染症をおこしたり、肝性脳症になったりと入退院も繰り返してきた。
そうして、このところ認知症の症状もでてきた。
今の”不穏状態”は、以前内服していた抗不安薬を中止した影響もあるのであろう。
他の合併症の治療薬内服のため、薬の相性が悪く使用できない。
呼ばれて部屋に行くと、9割方は大した用件ではない。
頭の位置を少し変えてほしい、テレビのリモコンを探してくれ、飴玉がほしい…etc。
スタッフも正直疲弊するのだが、一晩中5分おきに大きな声を出すのだから、他の利用者さんにも聞こえてしまう。過敏な人はその声で眠れなくなってしまう。
スタッフ同士でどう対応するのか悩む。
他の利用者さんのことも考えると正直お手上げだという意見もでる。
しかし、あちこちの病院から入院拒否を受けていて、高齢者施設などの受け入れは病態管理が難しいとのことで断わられる状況。
対応への答えがでない中で、一つだけ皆で確認したことがある。
それは、5分おきであっても呼ばれたら部屋に行くこと。
彼が私たちを呼ぶ表面的な理由が大した用件ではないとして、それを応じようが、諭そうが、スタッフ一人ひとりの対応の仕方は決めようとは思わない。
ただ、不安と寂しさがあってこそ呼ぶのだから、5分おきであっても顔を見せようと皆で確認した。
彼の安心感はどのようにしたら生まれるのか…、模索の時間が続いている。

2019年02月11日