友愛会の支援者への手紙 30
よすが
友愛会の宿泊所にくる人は本当にさまざまである。
認知症の方、知的・発達障がいの方、ガン末期や難病の方、アルコールや薬物依存症の方、統合失調症や他の精神疾患の方、刑期明けの方、妊娠している方、DV被害の方、経済的問題を抱えた方、これらのことが重複している方…etc.
一人ひとりにそれぞれの「生きづらさ」があって、何かしらの縁で友愛会にくることになったのである。
そんな中、ほぼすべての方に言えることは「よすが」がないということ。
「よすが」なんて言葉は最近聞きなれないであろうか。
“身や心を寄せて頼りとするところ(人)”、“頼みとするところ(人)”、“手がかり”、そんな意味合いの言葉である。
親類縁者だけを指す言葉ではない。
友人知人なども含め、頼れる人がいないということ。
金八先生(武田鉄矢さん)の有名なセリフに、「『人』という字は、支え合って…」というのがある。
本当に「よすが」がないということは、「行き場所」だけでなく「生き場所」を失わせる。
私たちは家族になれるわけではない。
友人にもなれるかわからない。
場合によっては良好で安定した関係なんて作れず、関係性が破綻してしまうこともある。
人間関係というのは本当に難しいものである。
でも、友愛会に訪れる方の中で一人でも多くの方の「よすが」にはなりたいとは思うのである。
彼ら自身の暮らしと生を全うする上での小さな“手がかり”になれるならばと思うのである。
そんな友愛会の活動の日々である。