友愛会の支援者への手紙 27

 

答えなんて…

十数年の活動の間に、数十人の妊婦さんが友愛会の宿泊所を利用された。
ほとんどの方は一人身である。
そしてほとんどの方が出産後母子だけの生活で子育てしていけるのか不安を感じる状態である。
それは、母親が育児をするにはやや重度の精神障がいや発達障がいを抱えていたり、子に対する愛情があまりにも希薄であったり(それまでも何児かを生んでいて育児放棄しているなど)といった状況が重なっているためである。
友愛会を利用する方は身寄りがない方がほとんどである。
つまり身寄りのない母親が子育てをできないならば、その子は誰によって育てられるのか…。
乳児院や養護施設、里親、はたまた育児困難と思える母親が“育てる”こともあるのか。
その子にはどんな将来が待っているのか…。
いつも深い悩みに陥ること。
生む親の側についての我々の整理のつかない思い。
生まれてくる子についての我々の勝手ながら底知れぬ不安と心配。
答えなんてわからないことは、世の中にも、我々の人生にも、山ほどある。
自分たちの「価値観」や「一側面的な正論」どおりになんてなりえないことは、世の中にも、我々の人生にも、山ほどある。
答えなんかわからないことだらけである。
そして、我々の出そうとする答えなんて左程の意味もないのかもしれない。
ただ、その親のことで手伝えることをし、祈るのみである。
ただ、その生まれてくる子が少しでも元気に生まれてこられ、少しでも元気に生きていけるために手伝えることをし、祈るのみである。

2018年03月16日