土の詩


美しき花
それは土に咲いている
豊穣なる稲
それは土から伸びている
清冷なる湧水
それは土から湧いている
夏作る蝉声
それは土に中にて育つ
我々の目、耳、口は
土より出しものらによって福をえる
しかしいつしか我々は
土上にコンクリートを敷き詰めて
みずから土を遠ざけた
土を感じぬ毎日は
生を感じぬ毎日に
土から生まれた我々は
帰りし土を求め彷徨う

2017年12月17日