友愛会の支援者への手紙 42

 

ある離島からの来訪者

ある日の真夜中、ある離島の警察官から電話がなる。
「ホームページを見て連絡しました。一人お金も身寄りもない人を泊めてもらえませんか?」との話であった。
離島である。それもかなり遠い島。
もう少し詳しく聞かせてほしいと言うと、どうやら仕事を求めて島に渡ってきた人だが、仕事がなくて所持金もなくて困っているところを保護しているとのこと。
その人は、ずいぶん前に一時その離島で仕事をしていたことがあったため、島に行けば仕事があるはずたと思って渡航してきたらしい。
でも仕事はなく、なけなしの金も船代に使ってしまっていたため、途方に暮れていたようだ。
警察官は島の役場にも相談したとのことであった。
みんなで話した結果、このまま島にいても仕事など見つからないから本土に戻った方がよいということになったらしい。
明けて翌日の船に乗り、長い時間をかけて友愛会まで来た。
来所したときにはすでに夜になっていた。
驚いたのは、かばんの一つ持っていないのである。
コンビニのビニール袋をぶら下げているだけである。
食事を出して、入浴の準備をする。
色々聞きたいこともあるが、疲れが見て取れるのでベッドで寝るようにすすめる。
何にしても、複雑な問題が重なり合っていることは確かであろう。
この人のその後の経過はここでは触れないでおこうと思う。
友愛会には、年に数十件はこうした電話やメールによる来訪者がある。
今の世の中では、ホームページも重要な窓口である。
そして、こういった電話やメールによる来訪者ほど極めて困難に状況にある人が多い。
友愛会の活動の中でも、とても大切だと思える緊泊(緊急時宿泊)支援である。

2018年12月02日