鏡の詩


己を見ようとするならば
鏡で見るしか術がない
顔も後姿も全身も
鏡がなくては見えやしない
しかも何故だか不思議にも
鏡が映すその姿を
時には己と疑わず
時には誰ぞと目を擦る
鏡がなくては己も見えず
鏡を見てさえ己が分からず
知りし己はその程度と
鏡に映った己が笑う

2017年12月31日